想像力

想像力が思いやりを生み、互いのしあわせに繋がるという話を少し。

三連休なか日の日曜日、スタッフもお休みで、急きょ以前手伝ってくれていた方にお願いして来てもらった。両親に小さな子供を預けての出勤だ。

おおむね三連休は、最終日が混雑することが多いので、今日は少し油断があった。

徐々に混雑してきて、人数の多いグループが幾つも入ったので一挙に料理を出す必要もあり、テーブルや椅子を動かしてコーディネートを変えたりと、そのうち混乱して身動きが取れなくなった。その最中電話のベル。

目の前のお客様を投げ出す訳にもいかず、電話はいつまでも鳴り続けて切れた。

しばらくしてまた電話。おそらく先程の電話と同じ人と思いつつ、今度はコーヒーの抽出を途中にして電話を受けた。これでコーヒー3杯分を無駄にした。

電話は、2週間先の予約だった。抑えてはいるけれど、明らかに相手は怒っている。予約を完了して電話を切る際に、何故電話に出ないのだという気持ちが伝わってきた。

出ないのではない、出られないのだ。

私たちも以前はカフェでお茶をする時、ゆったりしていていいなと思っていた。

店の営業というのは、お客様を接待する以前に料理の仕込みをし、スタッフを揃え、掃除をしたり後片付けをしたり、ケーキを焼いたり、材料を仕入れたりと様々な仕事で成り立っている。その上で、ゆったりとした素敵なカフェを演出してみせるのだ。

私達は電話の向こう側が見えない。電話の主も私達の忙しさは見えない。

しかし、私達はできるだけ私達の畑のGOCHISOを楽しんでいただきたいと願っている。

まっすぐ怒りを感じる前に、ちょっと想像力を働かせてみて。それが互いをしあわせにすることに繋がるかもしれません。

人間、みんなそんなに悪いものではないでしょう。ただ、想像力が乏しいために自分が傷つけられたと感じてしまう…残念なことです。

想像力をはたらかせることが思いやりに繋り、思いやりが互いのしあわせを生み出して行く…そんな気がしています。